この二日間が仕事で目一杯なので、奈々子のことを考える余裕がなかった。昼ご飯を食べた後、英会話の教科書を出して、ちょっと勉強しようと思った。しかし、睡魔が容赦なく林に襲った。気づいた時、すでに気持ちよく2時間寝た後だった。
最近ずっと外食だったから今日は自炊しようと林は思い、山科大丸の地下にあるスーパーに行った。朝食用のパン、飲み物、お茶、ヨーグルト、卵、野菜と豚肉などを沢山買い、家に帰って調理し食べ終わったのが7時だった。片付けもしないまま、林が英会話教室に向かった。雨が止んだとはいえ、かなり肌寒かった。
今日は奈々子が来るかなと思いながら恐る恐ると教室に入った。
奈々子はすでにテーブルに座っていた。白地のプリントのチュニックワンピースにアイボリー色のハイヒールサンダル、地味ではあるが、大人の女性を感じさせる格好だった。林は胸を撫で下ろして呪縛が解かされるようにひと安心した。
「水曜日来られなくてごめんなさい。10時まで残業した」軽い挨拶したあと、奈々子が前回来られない理由を説明した。
「謝ることはないよ。残業、きっと大変でしょうね」林は奈々子の匂いを嗅いだ。
「誰と会話したのですか」奈々子が微笑んだ。
「キティちゃん」を言いたかったが、聞かれたら困るので、「かなり大変でしたよ」林が神秘的に笑った
「何が大変だったですか」奈々子が非常に知りたがっていた。
「後で教えます。今はちょっと」林がいたずらっぽく言った。
「そうだ、宿題がありましたよ。」林が言いながら、2枚のプリントを奈々子に渡った。
「ありがとう」